なぜ責任を切り分けると上手に悩めるのか?

僕たちが悩みを抱える時、

何でも自分のせいと捉える傾向がある人は、

色んな出来事があった時に、

全て自分に原因があると帰属しがちで、

過度に悩みすぎてしまうことがあります。

 

また、全部自分のせいだとすると

誰かの責任までその人自身が自分が負ってしまい、

大変苦しい状態になってしまいます。

 

勿論、何か出来事が起きたときに、

自分にもその原因があると省みて、

「自分の責任の範囲」で改善をすることは大切です。

 

でも、そこに「相手の責任」までのっけてしまうと、

全て自分が悪く思えますし、

よく分からなくもなり、

自分を苦しめてしまうのです。

 

そこで今日は、この「責任」についてお話をし、

どのようにしたらそれを切り分け、

上手に悩むことができるのか?をお話していきます。

ちなみにですが、ここでいう上手に悩むとは、

余計な責任を負わず、悩むべきことが悩めるようにという意味です。

カウンセリングでの責任を分ける援助方法

カウンセリングをしていると、

この責任の切り分けがうまくないせいで、

苦しんでいる方とお会いすることがあります。

 

そういった方は、先ほど説明したように

過度に相手の責任まで自分の責任と捉えており、

心理的負担が増えて苦しくなっています。

その為、責任の切り分けがきっちりと出来ているのか?

ということや、

出来ていなかったらその切り分けを援助する為に、

次のように質問することがあります。

 

「それは誰の責任だと感じていますか?」

と聞いたり、

「本当にそれはあなたの責任でしょうか?」

とか、

「その出来事は、どこまでがあなたの責任でしょうか?」

なんてことを敢えて聞いたりすることで、

本人が自分の責任を切り分けられるように援助をしていくのです。

 

他にも例えば、

「その問題の原因と思われるものを書けるだけ書いて下さい。」

と伝えて、原因と考えていることを洗い出してもらいます。
(付箋やノートに書くなど)

これはその後に、例えばその付箋を、

右側が自分の責任、

左側が相手の責任のゾーンとして分けてもら為です。

 

分け終えたら、自分の責任と捉えていることを見つめてもらい、

そのうちどの部分が何%位が自分の責任で、

何%位が相手の責任かを切り分けてもらったり、

その「自分の責任」と感じていることの内で、

どの部分が自分でどの部分が相手なのかも

詳細に分けてもらいます。

 

これは一種のトレーニングですので、

繰り返し何度かやっていくことになりますが、

こういったトレーニングをしていくと、

自分の問題と相手の問題を

分けて捉えられるようになり、

相手が責任を負うべき部分を

自分が負うべきではないと気づき、

自分が責任を負うべきはこの部分で、

この部分を悩んだらいいんだと思えます。

すると結果的に楽になったり、

自分が本当に反省すべきことで

反省することが出来るようになります。

 

僕たちは、誰かの責任も自分のことのように

負ってしまうことがありますから、

こういったトレーニングは時に大切なのです。

 

あなたがもし今過度に「相手の責任」まで負っていたり

「責任の切り分け」が出来ていない為に悩んでいるとしたら、

ここに書いたことをやってみて下さいね。
(付箋とノートを用いた取り組み。)

・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・カウンセリングルームこころ音 カウンセラー
元引きこもりのカウンセラー。現在は講師として、毎週(土)講義を行う。
都内のクリニックでカウンセリングも行っている。